死 神 の 黒 い 光  


いつから俺は、お前に惹かれていたんだろう?
優しくて、けれどいつも怯えていた人間。
いったい、何に怯えているんだ?
俺は此処にいて、お前も此処にいる。 この世界に存在してる。
哀しい瞳をしたお前は、いったい何を求めている?
俺はお前のそばにいるのに。
存在理由と存在価値。
俺もお前も人間なのに、ここに在るのに、どうしてお前はそんなものを求めるのだろう?
産まれてきた理由も、ここに存在する意味も、俺達は最初から持っているのに、最初から此処に存在するためにこの(うつわ)をもらっているのに、お前はどうして求めるのだろう?
確かに今俺たちが持っている”それ”に気付かずに。
人間になりたいと願った瞬間(とき)から、俺達は人間であるのに。
何故気付かない?
こんなにも近くに居るのに、触れられる程近くに居るのに、お前を求めている俺に。
俺が俺であって、お前がお前であれば、今のまま変わらなければ、俺もお前も人間でいられるのに。 同種でいられるのに。
傍にいたくて此処に在る(そんざい)をどうか理解(わか)って。
紫の瞳の哀しい魂。
俺の居場所はそこなのだから。 お前の魂は俺と在るためのものなのだから。
交えよう。 この廃棄(すて)られた想い達を。
俺達は ”2人” なのだから。